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■和暦と西暦 四半期報告書、有価証券報告書(決算短信)はどっちにすべき?

有報(有価証券報告書)は西暦? 和暦? 西暦表示にすべき?

実務担当者として、ひとつ興味があるのが、2019年に終わる事業年度の四半期報告書や有価証券報告書(有報)に関して、和暦表記にすると、来年の4月末をもって終了してしまうため、表現によってはありえない表記をすることになってしまうが、従来の和暦から西暦に直すべきか、否かという点だと思います。

ここで、それぞれの主張を確認してみましょう。

 

【和暦のまま派】

基本的にこれらの提出文書に関しては和暦であることが原則であるから、そもそも西暦にするということが不要。それに、実際に官公庁関連の資料を確認しても、平成31年以降に関しても、和暦で開示しているし、これらを考慮しても基本的には西暦から和暦に変更する必要はない。

ちなみに、昭和から平成に変わったときも西暦表示などしていないし、現状の官公庁の開示状況を勘案しても、西暦表示ではなく、和暦表示によっているので、来年の4月で平成が終了するということでも、四半期報告書も和暦のままにすべきである。

という、見解

 

【西暦に変更すべきという派】

そもそも、2019年5月以降は、平成ではなくなるため、そもそも歴史的に無いはずの年号を四半期報告書として出すのはおかしいということ。

それに、昭和から平成に変わったときと現状で大きく違うのは、今回は現時点で平成がなくなることは、決議がされており、決定されている事実だということです。

 

【実務としての開示状況】

2月決算の会社を有報サーチで検索したところ(正しい、検索結果であることは保証しません)、少なからず分かった会社数でいえば、7月10日時点提出済みの2月決算第一四半期の四半期報告書では、和暦表示が21件、西暦表示が6件とされており、圧倒的に和暦表示に軍配があがりました。

ちなみに、参考にはならないと思いますが前回の3月決算の有価証券報告書では、和暦が1,956件に対して西暦が258件となりました(一定の条件での検索のため、間違っている可能性はあります。)

 

【個人的な見解】

おそらく、来年の有価証券報告書においては、平成と新たな年号が入り混じる状況になると思います。特に、適時開示に関してはいつまでは平成でいつからは新しい年号にするかという点で、悩ましくなってくると考えます。

このため、いずれは、西暦にする方が一般的ではないかも知れませんが、このいわゆるどうでも良い問題に対して整合性が合わないなど、明らかに誤っているから修正といったことがなくなるため、四半期のいずれかで西暦に変更する方が良いとも思えます。ただ、現時点での開示状況を勘案すると、西暦で開示している会社のも少ないため、保守的に行くのであれば、この第一四半期はとりあえず和暦で開示し、他社の動向を見てから、第二、第三四半期で変更するという方法で、そうでないなら、この第一四半期から、西暦に直すというのが良いようにも感じます。

 

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