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内部統制報告制度においては、会社としての統制状況を実際にテストし、調書化することが必要になります。ここで、一部の会社においては、内部監査委員制度を取っている会社もあります。今回はこの内部監査委員制度のメリットデメリットについて、個人的な見解も含め、解説していきたいと思います。
Ⅰ.そもそも内部監査委員制度とは
ここでいう内部監査委員制度とは、内部監査を社内の持ち回りによって、毎年担当者を決め、その決まった担当者が実際に他の部門の内部統制の状況について、テストを行い評価を行うという制度です(最終的な評価は、取り纏めで実施すると思いますが)。
Ⅱ.内部監査委員制度のメリット及びデメリットについて
内部監査委員制度のメリットデメリット関しては、以下のような点が挙げられると思います。
メリット | デメリット |
・会社全体として内部統制報告制度への理解が深まる。
・内部統制監査室の負担が軽減される。 ・内部監査員が監査を通じて他部門の業務への理解が深まる。 ・監査業務が分散化されることにより、リスクが低減される。 |
・実行するには他部門の理解が必要であり、全社的な決定が必要になる。
・内部監査員に対して教育・研修のコストがかかる。 ・監査業務が分散化されることにより、効率性が害される可能性がある。 ・内部監査員に知られたくない情報を知られるリスクがある。 |
Ⅲ.意見及びまとめ
実務的には、内部監査は一般事業部門に煙たがれる傾向は無いでしょうか?そもそも、内部統制の評価は規定上必要と定められているため実施するものであり、これ自体も会社としての重要な業務です。にもかかわらず、実務的には優先順位が低めにはなっていないでしょうか。これらに関して、全く問題なく運用できているようであれば、一般的な内部監査室による監査の実施が良いと思いますが、そうでない場合には、内部監査委員制度を採用するのも一考です。監査される立場だけでなく、監査する側の立場も理解できるため、学ぶことも多いと考えます。