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監査法人での業務、5回目のテーマは「表示のチェック」です。
監査の最終の段階になると会社が作成そして提出しなければならない株主総会招集通知や有価証券報告書が出来上がってきます。その中に含まれる財務諸表の数値はもちろんですが、勘定科目名やその順序、注記の1つ1つまでが正確であることが要求されます。特に有価証券報告書はその記載内容にかなりボリュームがあります。文章や単語、数値などのチェック項目を数人で分担してチェックをしていきます。
有価証券報告書の中で、貸借対照表や損益計算書、キャッシュフロー計算書等は前期と今期の2期間表示となっています。その中で前期の数値、表示に関しては原則、前期の有価証券報告書の内容と照らし合わせていきます。今期の数値や表示に関しては、これまで作成してきた監査調書とのチェックをしていきます。また、財務諸表等規則で要求されている項目、例えば営業外収益や営業外費用の総額の10%超(四半期報告書は20%超)の金額のものは当該収益、費用を示す名称を付した科目をもって掲記しなければならないとされており、雑収入や雑損失の内訳に関して金額的検証も要求されます。有価証券報告書は時代とともにその中身がかなり膨大な情報を含むようになってきました。それとともに注記の内容をはじめとしてチェックすべき項目がかなり多くなってきていますが、間違った情報が公の場に発表されないよう、私たち監査人は1ページ目の目次から最終ページの句読点に至るまで目を凝らし、電卓を叩き、チェックを入れていきます。
会社が公表する情報の中でも有価証券報告書の情報量はても豊富で貴重な内容です。有価証券報告書を実際に読む方がどれ位いるかは分かりませんが、監査の最終局面において、私たちは会社の内容を適時適切に伝えるべくこのような業務を行っているのです。