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■和暦と西暦 四半期報告書(有価証券報告書)を作成する場合の留意点について・・・

西暦に変更する場合における四半期報告書(有価証券報告書)の作成上の留意点について

平成が2019年4月で終了することもあり、四半期報告書をはじめとする開示文書についても和暦から西暦に変更する会社も増えているようです。

今回は、和暦から西暦に四半期報告書を変更する場合の変更箇所やそれぞれの留意点についてまとめてみたいと思います。

 

☆表紙について

“(注)当第1四半期連結会計期間より、日付の表示を和暦から西暦に変更しております。”

という一文を表紙に、記載していく会社が多いようです。なお、この記載は表紙にのみ記載するケースが多いようです。

また、当第一四半期というところを当第○○期第一四半期というように記載する会社も多いようです。

 

☆一般的な項目について

主要な経営指標等の推移や企業の概況、財務諸表及び注記に関しては、原則従来まで和暦表示であった箇所を西暦に変えることとなります。

 

☆会計基準について

例えば、平成30年4月以降開始事業年度の場合、『税効果会計に係る会計基準』の一部改正を適用することになると思いますが、この場合の当該基準の日付、具体的には

(企業会計基準第28号 平成30年2月16日) と記載するか

(企業会計基準第28号 2018年2月16日)  と記載するかという議論です。

 

これらに関しては、どちらもパターンとしては存在すると思われます。理由としては、当該会計基準は、改正日が基準になっているわけではないという側面を取るのであれば、西暦表示になると思いますし、基準の改正日はあくまで平成として公表されており、かつこれらは今後和暦が変わることも無いという側面に立てば和暦表示ということになると思います。

どちらが多いかは、今後、出来れば調べて行きたいと考えますが、個人的には西暦の方が理由を勘案しても、少し良いのではと思います。

 

☆提出書類について

提出書類(例えば、有価証券報告書や短信等の書類)に関しては、四半期報告書としては、直接日付を記載することは、基本的には無いと思いますが、短信などにおいては、提出書類の日付を記載することがあると思います。この場合の日付はどうなるのでしょうか。

例えば、平成30年3月期 決算短信[日本基準](連結)というような記載をする場合に、これらに関しても西暦に直すべきなのでしょうか。

これに関しても、当然、特段決まりがあるわけではないのですが、上記の記載でいう「平成30年3月期」というのが、提出書類名となっていると考えるのであれば、当然、西暦に直すべきではないということになりますし、そうではないと考えるのであれば、やはり他と同様、西暦に直すということになってくると考えられます。

なお、個人的には、これらの表現が不要なように文書を変更できれば、最も望ましいと考えます。また、仮にどうしても記載する必要があると考えるのであれば、状況にもよりますが、提出書類名までは直さない方が良いのではと考えます。皆様はどのように考えますでしょうか。

 

☆確認書について

四半期報告をする場合には、確認書を提出することになりますが、これに関しては本表にあわせ西暦に当然に直すべきと考えます。

 

☆レビュー報告書について

四半期報告書においては、監査法人又は公認会計士の四半期レビュー報告書を添付する必要がありますが、これに関してはいかがでしょうか。いずれ、どのような状況かは調べてみようと考えていますが、レビュー報告書も会社に合わせて西暦としているパターンとレビュー報告書は従来どおり和暦としているパターンの両パターンが確認できました。

そもそも、“独立監査人の”と銘打つぐらいのため、必ずしも両者の整合性が取れる必要はありません。しかし、両者を全く別物として良いのでしょうか。これについても、様々な意見があると思いますが、個人的な見解としては四半期レビュー報告書自体にも〇〇年○月○日より、といった記載があるわけで、四半期報告書自体が西暦になっているのであれば、それを受ける報告書も同一にした方が、より分かりやすいため、出来るのであれば四半期報告書の記載方針に合わせて、レビュー報告書も西暦に変更する方が望ましいのではと考えます。

ただし、監査法人の報告書を作る際は、特に大手の監査法人などによっては、特別に報告書を作成する部署があり、事前にその部署に申請が必要であったり、サインする責任者にも調整が必要であったりと、簡単に報告書を変更することは出来ません。したがって、自社の報告書を西暦に変更することを計画しているのであれば、事前に監査法人に対しても、通知しておくことが良いのかもしれません。

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