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一般的には、1年以上の為替予約契約をすると、長期為替予約契約となり、会計上、ヘッジ会計を適用することが非常に困難になります。
これは、今では廃止されてしまいましたが、包括的長期為替予約のヘッジ会計に関する監査上の留意点という基準があり、その基準の中で具体的にヘッジ会計を適用するための要件などについて、具体的に規制があったためになります。
そこで、まず、当初の基準が無くなった経緯や当時の留意点について簡単に解説していきます。
☆廃止された理由
金融商品会計実務指針第162項を関連として金融商品会計Q&A55-2に包括的長期為替予約のヘッジ会計に関する項目が追加され、内容が包含されたため廃止。
→つまり、実質的には同様の趣旨で、原則は評価差額を損益計上。但し、Q55-2でいう要件を満たすものに限りヘッジ会計の対象となる。また、ヘッジ会計の適用が認められる場合においても、為替予約の振当処理を行った場合との差異の重要性の乏しい場合を除き、税効果会計適用後の評価差額を純資産の部に繰延ヘッジ損益として計上。
☆留意点
尚、上記包括的長期為替予約に限らずヘッジ会計の際は、原則、ヘッジ取引以降の有効性の評価(事後テスト)が必要になるため留意必要「金融商品会計実務指針146、155~159項、323項」(少なくとも6ヶ月に1回程度、概ね80%~125%の範囲内)。
つまり、当初の基準は無くなったものの、実務的には従来の監査上の留意事項に記載されているようにヘッジ会計の適用を判定しているケースが多いと思われます。
連結の重要性等、日本の会計基準の中には既に廃止されているものでも、実務で採用されているものが多くありますが、この留意事項もその一つといえるのでしょう。
以上