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公認会計士の仕事 vol.2

監査法人での業務 vol.2のテーマは「確認」です。

「確認」は監査人自ら被監査企業の取引金融機関、取引先へ残高を確認する手続きになります。金融機関であれば預金残高や保有有価証券等、取引先であれば売掛金残高や受取手形残高などを相手先に確認することになります。「確認」は監査基準委員会報告書にて「紙媒体、電子媒体又はその他の媒体により、監査人が確認の相手先である第三者から文書による回答を直接入手する監査手続きをいう」と定義されています。ここで大事な点は監査人自らが紙媒体等で直接入手するという点です。したがって確認状の発送、回収は監査人自らが行いますし、口頭だけでの確認は「確認」とはなりません。監査人が入手する監査証拠の証明力は企業内部で作成したものよりも企業外部から入手するものの方が圧倒的に強くなります。したがって「確認」による監査証拠の証明力は非常に強いものになります。監査人は実証手続として「確認」を立案し実施しますが、実証手続が求められるのは期末監査時であり、四半期レビューでは実証手続が求められてはいないので「確認」は行いません。

確認状の発送が行われると監査法人事務所には連日大量の確認状が返信されてきます。その確認状をクライアントごとに仕分けし、きちんと社判、印鑑が押印されているか、回答欄が空欄になっていないか等々1通1通確認していきます。記入漏れがある場合や押印漏れ、担当者個人の印鑑で押されている場合等は再発送となります。また、期限までに返信してもらえなかった先には会社を通じて督促します。先も述べましたが「確認」は非常に証明力の強い手続きですので確認状が入手できないという理由を持って安易に代替手続を選択するということはできないのです。その後、確認状に記載のある金額をコントロールシートと呼ばれる確認状を一元管理するエクセルに入力していきます。会社の計上額と回答額が一致していれば原則問題はないといえます(相手先と通謀している可能性もゼロではありませんが)。しかし、一致しない場合はその差異の原因追及を会社担当者に依頼します。差異の原因はすぐ判明することもあれば、難航することもあります。しかし、監査人は会社計上の残高に対して心証を得られるまで原因を追究していきます。

昔から監査の基本は実査、立会、確認と言われています。その中でも「確認」は唯一、企業外部からの監査証拠を入手できる手続であり、非常に重要性の高い手続であり続けています。

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