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公認会計士試験を振り返って vol.1

公認会計士になるには5つのハードルがあります。ここでは、その5つについて私なりの見解や体験したことを述べたいと思います。

最初のハードル:短答式試験

私個人的にはこの短答式試験が最初で最大の難関だったと思っていますし、そう感じている人も多いと思います。年2回5月と12月に実施されているこの試験は、試験後に合格の水準が決められ、何%以上の正解率といった基準で合否を決めています。その回によっても違いますが、目安は70%程度の正解率となっています。合格率も公認会計士試験の中では一番低く、10%台?です。その後の論文式試験は約30%、修了考査は約70%ということを考えると、ここが一番狭き門となっています。試験問題ですが、監査論や、企業法は重箱の隅をつつくような問題があります。また財務会計論、管理会計論共に時間が全く足りなかったことを思い出します。

あと、一番思い出すのが試験会場の酷さです。他の資格試験とは明らかに受験会場、受験環境に違いがあると感じています(東京会場しか知りませんが)。特に高田馬場にある大学が会場の場合、椅子に背もたれがなく、しかも前後の幅が本当に狭くて参ったという思い出があります。税理士試験やTOIECも受けたのですが、幕張メッセやそれなりの会場を貸し切っており、当然背もたれのある椅子で普通の環境で受験ができます。公認会計士試験はその辺の環境にも耐えれるかどうかも問われているかもしれません。

論文式試験が8月に行われることを考えるとベストは12月の試験で受かることです。5月に受かっても、3か月後には論文式試験が控えており、新たに租税法や選択科目が増えるので厳しいと思います。マークシートなので、最後に空欄全て塗りつぶす必要がありますが、そういう時は全て4を解答にしていました(答え合わせの時に分かりやすいように)。

論文式試験

短答式に受かったら次は論文式試験です。ここで一番悩んだことは文章が書けなかったことです。企業法や監査論に関しては、今までは正解を選ぶだけで済んでいたのが、論述しなければならないのです。典型論点などの解答や論述の方法(ストーリーの組立から結論に至るまで)を模索しながら勉強した気がします。計算の方は、今は連結会計や企業結合が主流なのでその辺を重点的に勉強したと思います。あと、租税法は試験までの勉強時間が限られています。その中で法人税、所得税、消費税とやらなければならず、しかも頭が会計を軸に出来上がっているので税金に対する考え方に順応するのに苦労しました。とはいっても、この論文式試験は科目合格もあること、監査論では監査基準委員会報告書が配布されること(企業法や財務会計論、租税法でも配布物あります)、3人に1人は受かること等から、短答式よりほんの少し気は楽だったと記憶しています。

試験は3日間の長丁場です、1日目、2日目は終わって自宅で勉強する人もいますし、しない人もいるでしょう。私の場合は、最初の日の監査論と租税法が全く手ごたえがなく、1日目、2日目共に会場近くのお店でビールを飲んで帰っていました(結果は監査論が一番よく出来ていました)。実際、1日目、2日目は勉強するよりもその日の疲れを抜いたほうが圧倒的に有意義だと思います。次の日もあるので早く寝るべきです。そして、覚えているのが、3日目に試験が終わるわけですが、終わって会場の外に行くと監査法人の人たちが就職の案内物などを配布していることです。受験生のほとんどは受かった手ごたえがないはずで、受かってもない人になんでそんなものを配布するのかなと思った記憶があります。

この論文式試験を合格して一番思ったことは、周りのレベルはそんなに高くはないという事です。むしろ、低いとも言えます。みんな短答式試験からの限られた時間の中で、圧倒的な量を勉強しなければならず、それをこなせる天才はいないのです。ですので、3日間あきらめずに集中することが大事だと思いました。

次回へ続く

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