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■公益法人 内閣府立入検査

内閣府立入検査において、指摘事項となりやすいであろう事項について、下記列挙してみました(内閣府による公益認定法第27条第1項に基づく立入検査)。

 

内閣府への申請
・過去に公益認定を受けた事業を今は実施しておらず、今後の実施する予定がないが、変更認定申請を行っていない。逆に、新たな事業を実施していているが、変更認定申請を行っていない。

・法人所在地が変更となったが、変更届出が提出されていない。

・役員の選任・退任に関する変更届出が行われていない

 

法人の機関運営

・役員の選任について、一括で決議されているが、個々に決議する必要がある。

・総会や評議委員会の招集通知に関して、書類の不備がある。日時場所が示されているだけであり、理事会承認を受けた計算書類等の提供がない。

・理事会と総会(評議員会)については、その開催日は2週間以上空ける必要があるが、同日に開催されている。

・議事録等から業務執行理事等の職務執行報告が行われた形跡が確認できない。

・議事録に関して、理事等の記名押印が漏れている。

・資格付与事業における資格付与の機会が、一般に開かれているとはいえない。

・資格付与事業の審査にあたり、専門家が適切に関与する必要があるが、関与者の専門性が不明確である、あるいは、そもそも専門家の関与がない。

 

役員報酬等、人件費関連

・役員報酬の支給基準が変更されたが、内閣府に変更届の手続きが行われていない。

・役員報酬規程上は無報酬だが、支給が行われている。

・そもそも役員報酬規程が作成されていない。

・旅費、交通費等の支給で積算根拠が不明なものがある。

 

 

最後に、参考までに、内閣府の「監督の基本的考え方(平成20年11月21日)」には、下記のように記されています。

公益法人制度改革により、

①監督についても主務官庁による裁量的なものか ら法令で明確に定められた要件に基づくものに改められたこと、

②法律により法人 のガバナンス(内部統治)及び情報開示について詳細に定められたことを踏まえ、

③不適切な事案は制度に対する信頼を揺るがしかねないこと、

④法人の実態 を十分に把握しなければ効果的な監督を行うことができないことを考慮し、国の監督機関(行政庁たる内閣総理大臣及び法律で内閣総理大臣の権限を委任された公益 認定等委員会)は、次のような考え方で新公益法人(新制度の公益社団法人及び公益財団法人をいう。以下同じ。)の監督に臨むことを基本とする。

(1) 法令で明確に定められた要件に基づく監督を行うことを原則とする。

(2) 法人自治を大前提としつつ、民による公益の増進のため新公益法人が新制度に適切に対応できるよう支援する視点を持つ。

(3) 制度への信頼確保のため必要がある場合は、問題ある新公益法人に対し迅速かつ厳正に対処する。

(4) 公益認定申請等の審査、定期提出書類等の確認、立入検査などあらゆる機会を活用して法人の実態把握に努める。

以上

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