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公認会計士の仕事 vol.1

監査法人ではどのような業務を行っているかをこれからシリーズで書いていこうと思います。

第1回目のテーマは「公認会計士の1日の流れ」です。

監査の仕事は基本的にはクライアント先で行います。当法人では10時前に3人~5人位のチームでクライアント先に向かいます。最寄りの駅で待ち合わせて一緒に行く場合もあれば個々で行く場合もありますが、それはクライアントによってまちまちです。到着後は調書のファイルやプリンターなどを専用のロッカーに置いてあるのでそれらを会議室にセットし、仕事の準備を行います。そして調書作りのスタートです。なお、監査の仕事は役割分担が決まっています。財務諸表の勘定科目ごとに担当者が振り分けられており、各々がその科目について責任を持って対応します。監査経験によって担当する科目の難易度が上がっていきますが、監査法人に入りたての段階ではB/S項目では現預金や借入金、純資産、P/L項目では販管費などを担当します。その後は有形固定資産や連結手続、売上や売掛金などを担当し、経験を積んでくると各種引当金や税金などの見積もり項目を担当するという流れが一般的になっています。

調書作りの際に色々な不明点や質問事項が生まれてきますので、その時には会社の担当者の方に疑問点を聞いたり、詳しい内容を説明してもらったり、間違った処理には修正をお願いすることもあります。監査を行う上で、クライアント先とのコミュニケーションは非常に大事な要素です。会計処理の助言を行うこともあれば、1つの論点に対し深くディスカッションを行うこともあります。お互いの信頼関係が成り立ってこその仕事であることを痛感することが非常に多い仕事です。私は今まで営業職をしてきましたが、営業の仕事は人との関りが多いことはもちろんですが、監査の仕事も最後には人間対人間であるという事をよく感じます。

昼食はクライアント先によって違いますが、お弁当だったり外へ食べに行ったりします。約1時間の休憩後、午後も調書を作っていきます。会計処理で迷う時もありますが、そのような時は会計監査六法などから調べていきます。監査期間は決まっています、期末でも四半期でも45日以内に監査を終え、監査報告書を発行しなければなりません。その締め切りまでに各自が自らでスケジュールを立てて業務を行っていきます。もちろん1社だけではないので複数のクライアントを担当する中で、各社での進捗状況を図りながら訪問の日程やその日の目標を立てていきますので、計画管理能力も問われます。

期末監査時は遅くまで業務を行うこともありますが、それ以外であれば17時を目標に業務を終了します。ファイルなどの片づけをして終了になります。1日の大体の流れはこのような感じになっています。次回以降は具体的な監査手続等に触れていきたいと思います。

 

 

 

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