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今後、変更が予定されている収益認識基準。また、監査上も不正対応基準が導入され、収益認識に対する重要性がますます増加してきております。そこで、今回はその原点に立ち返り、そもそも、なぜ収益認識が重要かという点について再度、その原則にたちかえりまとめてみました。
Ⅰ.会計上極めて重要だから
売上高が確定することで、対応する原価やその他費用の金額が付随的に決定する(費用収益対応)。これは、損益計算書の先頭に売上高が計上されることからも明らかであり、売上高を誤った場合、その後の全ての利益金額が誤ったものとなってしまうことから、収益認識は会計の基本的かつ根幹となるものといえる。
Ⅱ.不正のしやすい項目だから
①利害関係者の観点から
経営者:増収は会社を良く見せる誘因となる。
社内従業員:営業ノルマがある場合、営業担当者ベースで不正を行う誘因となる。
外部投資家:売上の過大計上は、一般的に印象が悪い。
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結局、単なる需要の先食いであり、それらにどれだけの経営資源を投入しても、会社の実態は何も変わらない。当然、収益に裏付けられる財産も増えない。
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経営資源の浪費。
②独立監査人(第三者)の観点から
収益認識は、一般的に不正が行われるリスクが高く、監査上「特別な検討を必要とするリスク」として厳格な監査が要求される。
Ⅲ.まとめ(経理部など管理部門の役割)
売上高は、不正リスクが相対的に高く、また投資家の関心度も高いため、社内的及び社外的に共通して重要性が高い項目である。その一方で、管理部門は真実の報告をしなければならない。
したがって、管理部門の役割として期待されるのは、不正の発見のみならず、未然に予防可能な内部統制を構築し、管理部門が主体となって不正防止に寄与することである。