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■指定管理者情報 財務に関する評価の視点は(選考に勝ち抜くための財務力は)?

財務に関する評価の視点は?財務専門の選考委員の視点による解説。

指定管理者の選考の際に、財務に関してはどのような視点で評価をするのでしょうか?つまり、指定管理者として求められる財務力はどのようなものでしょうか、またどのような財務体制になれば、評価されるのでしょうか。その自治体によって選定基準等は異なるものの、もっとも重要な要素は、“指定管理期間において、運営を持続可能な財務力があること”だと考えます。

では、この“指定管理期間に、運営を持続可能な財務力があること”を満たすためには、何か必要でしょうか。これについて、指定管理者の財務関連の選考委員からの視点でその重要な点について解説していきたいと思います。

1.一般に公正妥当と認められる会計の基準に準拠した決算書を作成すること

法人の財務力を判断するにあたっては、決算書や申告書などの財務関連書類をもとにその妥当性を判断していくことになります。ここで、そもそもその判断の基礎となる決算書が一般に公正妥当と認められない基準により作成されていれば、適切な判断が出来ません。つまり、決算書を見た時に明らかに、異常な決算書を作成していたり、異常な勘定科目を使用していたりすると非常に心証が悪くなります。

したがって、まず第一に適切な決算書を適切なルールにしたがい作成することが不可欠となります。

詳細については、以下の内容をご参照ください。

■指定管理者情報 中小企業が採用すべき会計処理基準(中小企業の会計に関する指針の適用)

2.財務安全性が高いこと

債務超過であったり、多額の借入があり資金的に借入の余裕が無い場合などは、団体として事業を継続していくことが難しくなります。つまり、倒産するリスクが少ないことが指定管理者には求められます。これらの倒産リスクを図る分析指標としては、安全性分析がありますが、これは、その団体の支払能力の分析と言い換えることができ、短期の支払能力と長期の支払能力に分類されます。

これらの分析としての指標としては、短期の支払能力の指標として“流動比率”や“当座比率”があり、長期的な支払能力をあらわす指標としては“自己資本比率”や“固定比率”などが主な指標としてあります。

つまり、これらの指標をある一定レベル以上に保っておくことが必要となります。

なお、指定管理者としてどのような内容が選考時に重視されるのでしょうか、そのないようについては、以下の記事をご参照ください。

■指定管理者情報 選考時に重視される財務安全性の分析指標

3.一定以上の安定的な収益性があること

団体が存続するためには、財務安全性もさることながら、その団体自体の収益性も求められます。つまり、赤字が多く連続しているようでは問題となるということです。ここで、一般事業会社においては、営業利益率や自己資本利益率などが高ければ高いほど優秀ということになりますが、指定管理者においては必ずしもそうとはなりません。

具体的には、リスクの高い事業により高水準の利益を得ているよりかは、極めて安定的な事業により継続的に安定的な収益性を得ている方が評価は高くなります。

 

4.指定管理業務自体に一定の収益性が確保されていること

指定管理業務を適切に運用していくのには、予算が必要になります。これらが適切に確保されていなければ、必要なコストを不用意に削減することにより、指定管理業務自体の運営の安全性が確保されません。そのため、まず第一に指定管理業務自体の予算が合理的に算定されていることが必要不可欠になります(予算統制能力)。

特に剰余金の処分方法や本社費等に関しては、その団体により特色が出るところとなりますが、これらの算定方法などに合理性が認められれば、指定管理業務自体に一定の収益性が確保されており、実現可能性が高いと判断されると考えられます。

 

5.将来に影響を与えるような支出などがないこと

一般的には投機的な支出がある団体は、財務的に不安定になる傾向があると判断されます。そのため、決算書の中に投機的な支出先が多くあると、事業継続には一定のリスクがしょうじることになるため、望ましくありません。

具体的には、リスクのある金融商品を多く保有していたり、投機的な棚卸資産(不動産等)を多く保有していたりとなれば投機的な支出が多い団体と評価されてしまいます。

また、投機的な支出は異なるものの、代表や不明な相手先に対して多額の貸付があったり、子会社に対して債務保証等をしていれば、その団体自体に財務的な力があったとしても、結果的に、団体の事業継続が困難になることが想定されます。

したがって、その団体自体の決算書においてもこれらの要素も考慮することが必要になってきます。

 

以上

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